
手作りキットの商品企画で売り上げの柱を増やそう!(#minne学習帖)
おうちで過ごす時間が増えたことで、おうちでハンドメイド作品がつくれる「手作りキット」の需要が増えています。
minneでも、手作りキットはアクセサリーやファッションなどと並ぶ大カテゴリーに位置しており、これまで何度も特集が組まれているほど人気のアイテムです。
今回は、これから「手作りキットの販売を始めてみたい」と思っている作家さん向けに、現在minneで販売中の手作りキットを例に、具体的な企画の進めかたをご紹介します。
はじめに~手作りキットを販売するメリットとは
手作りキットの販売は、通常の作品販売と比較すると、作家さんにとって以下のようなメリットがあります。
・作家さんの技術力を、お客さまにより深く理解してもらえる
・キットを通して、お客さまとのコミュニケーション機会が増える、広がる
・「自分で作ってみたい」層との出会いにつながり、新たなファンを獲得できる
・人気作品をキット化することにより、ニーズに広く応えることができる
・完成作品の販売以外の新たな収益になる
minneには「ハンドメイド作品を自分でも作ってみたい」と期待して訪れる方もたくさんいますので、手作りキットという新たな商材をつくることでそういった方々との出会いに繋がり、完成作品の販売とはまた違った収益を得るチャンスが増えるのです。
1.どんな「手作りキット」をつくる?
刺繍、アクセサリー、ハーバリウム、食品サンプルなど・・・手作りキットとして販売されている作品はどんどん多様化してきています。
キットのかたちに正解がないぶん、完成形だけでなく作業工程や内容物にも個性を出せるので、作家さんにとっても工夫のしがいがある商材なのです。
「どうやってキットをつくり始めればいいかわからない」と悩んでしまう方は、まず作品づくりの中で楽しんでもらえそうな作業はどれか?を考えてみましょう。
そうすると、おのずとキットに落とし込むポイントが浮かび上がってくると思います。
■「どんな作業内容にする?」から考えてみる
ひとことで「手作りキット」と言っても、制作時間30分程度でつくれるものもあれば、数時間~数日間かけてじっくりつくるものもあります。
作品づくりの最初から最後まで、全ての工程をキットに落とし込む必要はありません。一部の作業を切り取った内容でもOKです。
作家さんにとってはシンプルに感じる工程でも、ハンドメイド好きな方にとってはじゅうぶん「楽しいハンドメイド体験」になります。
▲木材を使用したカラフルな雑貨を作られているmarimachoさんのキット。あらかじめカット&刻印がされているので、塗り絵感覚で自分好みのカラーに仕上げられるようになっています。
▲国産の天然木材を使った貼り絵=「木はり絵」を作られている木はり絵工房きのわさんのキット。薄くスライスされた木を貼り合わせていく工程は、だんだんと出来上がっていくワクワク感があります。
■お客さまの購入目的からキット内容をイメージしてみる
お客さまが手作りキットを購入する目的として、以下があげられます。
・技術の習得のため(学習目的)
・子供との遊び、学習機会(夏休みの自由研究など)
・ものづくりの楽しさを体験&共有する(レジャー)
・大切な人への心のこもった贈り物として(プレゼント)
…など
また、自分でつくる以外にも、ご家族やお子さま用として、プレゼントなど、用途もさまざまです。
おうち時間が増えたことで、手作りキットの購入目的や用途にも広がりがみえてきているので、そういった視点からキットの内容をイメージしてみるのもおすすめです。
POINT !
まずは「作品づくりの中で楽しんでもらえそうな作業はどれか?(=お客さまにどのようなハンドメイド体験をして欲しいか)」をイメージしましょう。
キットのかたちに正解はないので、作家さん自身も楽しみながら考えてみてください♪
2.作業の手順をどうやって伝える?
キットにする作品とおおよその作業内容が決まったら、次は作業の手順(工程)をまとめたテキスト(説明書)を作ってみましょう。
ワークショップであれば作家さんが対面でレクチャーを行うことができますが、手作りキットの場合は直接教えることが出来ないぶん、工程が書かれたテキストが必要です。
まずはすべての工程を書き出してみて、その次にひとつひとつの工程に詳しい説明文を付け足していくと、まとまりやすいです。
説明文は、「ハンドメイド初心者さん」の気持ちになって、わかりやすく伝わる言葉を選ぶことを意識してみましょう。
ちなみに、テキストに画像やイラストを入れることで作業のイメージがしやすくなりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
▲小さなドールハウスを作られている豆本ドールハウスさんのキット。手順ごとに大きく見やすい画像が添えられており、細かな部分をどう作業すればいいかが一目でイメージできます。
▲カラーペーパーを用いた色鮮やかな切り絵を作られている祐琴(切り絵)さんのキット。イラストを使って、言葉では伝わりにくい作業のコツを説明されています。テキスト全体の文字色がワントーンで、すっきりした印象です。
■手書きの説明書でもOK!
工程と説明文を手書きし、紙に印刷する方法もあります。手書きのテキストには、作家さんの個性やあたたかみが感じられるというメリットも。
説明文はパソコンで作り、イラストのみ手書きで入れ込んでもいいかもしれませんね。
▲ミニチュアスイーツやフェイクスイーツを作られているkaori morihiraさんのキット。手書きのテキストにすることで、まるで作家さんや作品の雰囲気が伝わってくるようです。
■動画で伝えるやり方も
よりわかりやすくイメージしてもらうために、手順に沿った作業工程を動画で撮影する方法もあります。言葉では説明が難しい細かい作業も、動画があることで伝わりやすくなります。
動画は商用利用可能な動画共有サービスにアップロードし、テキストにURLもしくはQRコードを入れましょう。
少し知識と技術のいる方法ですが、一度動画を作ってしまえばその後汎用的に使うことが出来ますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
POINT !
手作りキットの場合は直接教えることが出来ないぶん、工程が書かれたテキストが必要です。
説明文は、「ハンドメイド初心者さん」の気持ちになって、わかりやすく伝わる言葉を選ぶことを意識してみましょう。
説明が伝わるかどうかが不安なときは、ご家族や友人に説明書と材料を渡して、一人で完成させられるかを試してもらってみては?
3.「手作りキット」に、何を入れればいい?
■材料はどうする?
必要なものは、出来る限りすべて入れるようにしましょう。
お客さま、特にはじめてハンドメイドにトライする方は、使い慣れない材料を買うことにもハードルの高さを感じてしまいます。
最初から材料が揃っていることで、はじめてさんにも経験者さんにも、安心して購入してもらうことができます。
■道具はどうする?
道具に関しても、あらかじめセットにしてあると親切です。
また、お客さまが専用の道具を既に持っていたり、おうちにある物で代用可能な場合もありますので、オプションで道具を追加購入できるようにする方法もおすすめです。
必要な道具をお客さまに準備していただく場合には、「どんな道具が必要か」をあらかじめ作品販売ページに記載しておきましょう。
なお、専門店でしか買えないような特殊な道具はキット内に含んでおく方がベターです。キットの価格、内容物のボリュームとバランスをみながら考えてみましょう。
▲ニードルパンチ刺繍のバッグやポーチを作られているL.A. Vidaさんのキット。必要な材料と道具が全て入っているので、届いたその日から作り始められます。同じ作品デザインで材料のみの販売ページも別で作られているので、リピーターさんも購入しやすい工夫がされています。
▲押しフルーツのスマホケースを作られているastin muhlerさんのキット。UVレジンを使用するためマスクや手袋を同封し安全対策をされていて、安心して購入することができます。UVライトがオプション購入可能になっているのも、初心者さんには嬉しいポイントです。
POINT !
必要な材料は、すぐに作り始められるように出来る限りすべて入れるようにしましょう。
道具は、あらかじめセットにするorオプションで追加購入できるようにすると親切です。
4.いよいよ「手作りキット」のかたちにしてみよう!
1~3の準備が出来たら、いよいよ手作りキットのかたちにしてみましょう!
材料はパーツごとに小分けにパッキングするなど、あらかじめ作業がしやすい状態にして発送すると、親切で喜ばれます。
▲ドライフラワーやプリザーブドフラワーなどの資材を販売されているあじさいやさんのキット。パーツや金具ごとにすっきりとまとめられたキットになっています。開けたときに、華やかなあじさいのパーツが目に飛び込んできます。
また、作ることが楽しみになるようなパッケージの工夫があるとワクワク感が高まりますので、ぜひ取り入れてみてください。
▲スタイリッシュなアクセサリーを作られているATELIER CHARMANTさんのキット。正方形に統一されたテキストと材料が特徴的で、作家さんや作品のイメージが一目で感じ取れるお洒落なパッケージになっています。
POINT !
届いたらすぐに作り始められるように、パッキングも工夫してみましょう。
パッケージは、作品の世界感がわかるようなデザインにしてみてはいかがでしょうか?作家さんや作品の個性がダイレクトに伝わり、お客さまの満足度も高くなります。
いかがでしたか?
好きな時間に好きな場所でつくれる「手作りキット」を通して、おうち時間に充実したハンドメイド体験をお届けできたら嬉しいですよね。
この機会にぜひ、作家さんオリジナルの楽しい手作りキットを企画してみていただけたらと思います。
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