自分にあわせた販売価格の見直し方(#minne学習帖)

こんにちは、minne 作家活動アドバイザーの和田まおです。
以前、「どのくらい売る」作家になりたいか について書きました。

今日の記事は、
・すでに販売活動を開始している
・今の価格設定に不安を持っている
・この先もう少し売上を伸ばしたい

と思っている方向けの内容です。

これらのお悩みについてアトリエへご相談にくる作家さんに、ほぼ毎回お話ししていることを今日は書きたいと思います。

「楽しく作家活動できているので、価格改定は考えていない」という方は、周りの方の意見に振り回される必要はありません。ご自身のペースで、自分が楽しむことが一番ですので、この記事は読み飛ばして大丈夫です。

「安いか高いか」では解決しない、価格設定の悩み

さて、価格設定の悩みの先には、必ず月の売上金額の悩みがセットでついてきます。
minneのアトリエ 世田谷にお越しいただいた際に、まず最初に作品を見て、作品別の価格について安いか高いかを判断するところから話をスタートすることはまずありません。また、これまで1,000名以上の作家さんの作品を拝見して「これは高いから値下げしましょう」とお伝えしたことは不思議と一度もありません。

例えば、このような作家さんが相談に来たとします。

・作家活動を始めて1年くらい
・最初は1点の制作に2時間以上かかっていたが、だんだん上達して今は1点1時間ほどで完成できる。これ以上、制作時間を大幅に短縮することはできそうにない
・価格は1点1,500円で販売。月に10点ほど販売している
・目標は月売上5万円

▼現在の売上

1,500円×10点=売上15,000円


今の価格設定と売上金額のどこに課題があるのか、原因を探っていきます。まずは、単純に販売個数を増やしたときのことをシミュレーションします。

月に「20個」販売した場合
1,500円×20点=売上30,000円

月に「30個」販売した場合

1,500円×30点=売上45,000円

月に「50個」販売した場合

1,500円×50点=売上75,000円

「販売する」ということはそれ以上に制作しなければなりません。そのことを念頭に置いて、まずは売上金額と販売個数のバランスが自分の理想に近い数字を試算の中から探ってみましょう。

一般論で決めず、自分の思い描くライフスタイルと照らし合わせることが大切です。今回は「月の売上50,000円を目指したい」という点がキーワードになります。

例えば「よくよく考えると、今の自分には月に30点制作するのが限界かも……」という場合は、作った作品がすべて売り切れたとしても45,000円です。こうなると、今の価格帯のままでは目標を達成できない、という点が見えてきます。

課題1 自分の生産能力を知る

自分の制作個数の限界を知ることが、はじめの一歩です。
検討もつかない場合は、自分の月の制作時間をどれだけ確保できるか、そこから数字を出してみましょう。

次に、目標を達成するためには何をいくつ売るペースが良いか、理想を探していきます。

ここでは、50,000円という目標を分解して、『いくらの作品を何点売るか』という課題を掘り下げていくことが大切なので、おおよその売上が50,000円になるように、自分自身では「こんな価格設定高すぎる……」と思う価格も試算してみましょう。

販売価格が
1,500円の場合 ×34点=売上51,000円
2,000円の場合 ×25点=売上50,000円
2,500円の場合 ×20点=売上50,000円
3,000円の場合 ×17点=売上51,000円
3,500円の場合 ×15点=売上52,500円
4,000円の場合 ×13点=売上52,000円
5,000円の場合 ×10点=売上50,000円

今の価格のまま目標達成するには月に34個販売する必要があり、今の制作ペースのままで目標達成するには単価を5,000円に改定する必要があります。

これらが極端な数字だと感じるのであれば、ご自分にとってちょうどよい価格帯と制作数を探ってみましょう。


課題2 販売価格を見直す

次に、今回の相談者さんの作品の原価と販売価格を見直してみましょう。
現在は、ブローチを1点1,500円で販売しています。

ブローチの材料費・梱包費=500円
人件費=1,000円(時給1,000円として。制作1時間)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
原価計 1,500円

この相談者さんの場合、材料費・梱包費のみを原価として考えていました。
現在の販売価格1,500円では、原価で販売していることになりますので、利益は0円です。

一般的な販売価格は「原価の3~4倍」と言われていますので、その通りに計算すると販売価格は4,500円~となります。
ここで、ほとんどの作家さんはご自身の価格とのギャップに深いため息をつきます。気持ちは重々わかりますので、まずはセオリー通りに算出した金額を受け止めてください。

「低価格で販売する」という事は、もちろんお客様にとっては喜ばれる面もありますが、作家活動の継続が難しくなるほどの利益率の低さは、いったい何のために制作を続けているのかわからなくなってしまいます。

ハンドメイド作家さんの最大の武器は
他にないオリジナルの商品を生み出していること」です。

周りの作家さんの価格帯を見て決めようとしてminneを検索すると、ほとんどの場合、自分の作品より低価格帯もしくは同等の作家さんだけを見てしまいます。自分より高い価格で販売している作家さんも見てみましょう。

なぜ安易な安売りをおすすめしないのかは、また別の記事で詳しく書きたいと思います。

実際の価格の改定は、作家さんによって考え方や目標金額、経済事情も異なりますので、最終的にはご自身の判断で決めていただいています。
ここでは仮に、1,500円の作品を2,500円に価格改定する、ということにしましょう。

販売価格が2,500円の場合
2,500円×20点=売上50,000円

これが、目標のベースになります。

販売価格改定の時は告知する?しない?

価格改定が決まったところで、次の課題は「いつ、どうやって価格変更をするか」ということです。
minneでは、価格変更に関するルールはありませんので、いつでも作家さんご自身で自由に変更いただいて問題ありません。

【予告なしで価格改定する場合】
初心者作家さんで、まだ販売実績がほとんどない場合は、特に告知せずに作家さんの踏ん切りがついた時に価格変更する、という感じでよいと思います。

【事後報告で価格改定する場合】
価格を変更したあとに、minneのプロフィール欄やSNSなどで価格改定に関してお知らせするケースもあります。
「よりよい制作活動ができるよう、材料費や作業費等を見直して価格改定させていただきました」
といったメッセージを添えると、既存のファンの方々もご理解くださると思います。

【予告の上で価格改定する場合】
既にたくさんの固定ファンの方が居る場合や、より丁寧にアナウンスをされる場合は、事前に予告するケースもあります。

▼予告内容例
・価格改定日(●月●日以降、価格を改定します)
・価格改定の概要(「●●シリーズは一律〇〇円アップ」といった表記や、
・改定理由(事後報告の場合と同じく「材料費や作業費を見直して……」といった内容)

どの方法で予告するかは、作家さんの状況や運営方針により様々です。


「ちょうどよいペースで売る」は難しい

「人気作家になりたい」
「パートを辞めてハンドメイドの収益で過ごしたい」
……といった目標をもつのであれば、今の販売価格のまま、ちょうどよく・忙しすぎない程度に作品を買ってもらうというのは難しいことです。

せっかく注目が集まり「ほしい!」というお客様がたくさん集まってきても、あっという間に在庫切れになってしまい、販売機会を逃してしまったケースは残念ながらたくさんあります。

本当に欲しいと思ってくれるファンの方と巡り合いたいと願いつつも価格を安く売り続けることは、その願いの実現を邪魔することもあります。

一点でも多くの作品を、一人でも多くのファンの方にお届けできるよう、なによりも一日も長い作家活動を続けるためには、利益が必要です。

自分で腹を決めないと、前に進みません。
ぜひ納得いく価格設定を考えていただけたらと願っています。

本日のまとめ

(1)価格の見直しは作品単体の価値だけで考えない。自分の目標を明確にしよう
(2)ひと月あたりの生産能力を把握しよう
(3)自分が活動を続けるために必要な収益を得よう

いかがでしたでしょうか。この記事で、販売価格の悩みが少しでも解決できたらうれしいです。感想やリクエストはこちらからよろしければお聞かせくださいね。

価格設定のお話はまだ続きがありますので、また後日書きたいと思っています。

記事の更新情報や作家さん向けのいろいろな情報をminneのアトリエTwitterでもお知らせしています。ぜひフォローしてくださいね!

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